ブレーキキャリパーの取り付け・オーバーホール

Z750FX-Ⅲにビックローターを付けた際、新品のNISSINのキャリパーを取り付けを行った。
その際に行った、エア抜きや、取り付けについて記載する。

また、古いブレーキキャリパー(リード90)のオーバーホールについても記載する。

ブレーキのエア抜き方法

エア抜きする際は、車体へのキャリパーの固定が必要。
ブレーキを何度も握るため、外した状態だとピストンが抜けてしまう可能性がある。

新品やブレーキホースを外していた場合、新品の銅ワッシャーを入れてブレーキホースをバンジョーボルトで固定する。
ブレーキキャリパーの上部にゴムのキャップが付いているブリーダースクリューがある。
これを緩めると中央の穴からエアーとブレーキオイルが抜ける。
ブリーダースクリューにメガネレンチを噛ませ、ブレーキオイルを受けるチューブを付ける。
マスターシリンダーにブレーキオイルを入れる。エア抜き時に無くならないように補充しながら作業すること。

手動で行う場合は、ブレーキレバーを握ってブリーダースクリューを緩め、エアーやオイルが抜けたらレバーを離す前にブリーダースクリューを締めるという作業を数十回繰り返す。
バキュームブレーキフュルードブリーダーを使用すると、エアーでブレーキオイルを引っ張れるため、簡単にエアーを抜くことができる。

ブリーダースクリューを緩め、ブレーキフュルードブリーダーのレバーを握ってバキュームし、バキューム終了時にブリーダースクリューを締める。

エアー式の他にも注射器のピストンを手動でシャカシャカ動かして負圧を作るタイプなどもある。
マスターシリンダーによっては、ブリーダースクリューがついているものがあり、こちらでもエア抜きを行う。
エアーが抜けない場合の最終手段として、マスタシリンダー側のバンジョーボルトを緩めてエアーを抜く方法もある。
エアーは基本上に上がるし、通路の幅や角度が変わる部分でエアーは溜まりやすいため。

ここでエア抜きする場合も、ブレーキレバーを握りながら緩め、レバーを離す前に締める。
隙間からブレーキオイルが噴き出し、車体に垂れると塗装が痛むため、垂れないようにウエスで包むなどの対応を行うこと。

握りがしっかり出れば完了。
最初は握りがあっても、グッと握っていったときにレバーがグリップに付いてしまうようでは、エアーが残っている。

ブレーキオイルの量は、最低でもマスターシリンダーに3杯分は入れる必要がある。

途中でマスターシリンダー内のブレーキオイルの継ぎ足しを忘れ、空になってしまった場合はエアーが噛んでいるためやりなおしとなる。
ブリーダースクリューを締める前にブレーキレバーを戻してしまった場合も、エアーが噛んでしまうので注意。

ブレーキキャリパー取り付け(新品)

ブレンボは樹脂製のピストンを使っているが、他のメーカーは金属製のピストンを使っていることが多い。
年月とともにサビが出てくるので、自分はシリコングリスを塗るようにしている。
動きが良くなるので、ブレーキの利きも良くなる。

ブレーキキャリパーの取り付けを一旦行い、エア抜き完了後に、ブレーキを握ってピストンをだし、シリコングリスを塗る、
裏側が塗れないので、ブレーキピストンプライヤーを使ってピストンを回転させる。
ピストンは動きやすいところが常に動いてしまうため、他のピストンを動かしたい場合は、何かを挟んだり、ディスクブレーキピストンツール を使用する。

画像はアルミを挟んでみた。
新品のブレーキパットを使用する場合、ベルトサンダーなので角を落とす。

角は、ディスクローター側で山になっていることが多く、当たりが出やすくなる。
(今回は新品ローターなので不要かもしれないが・・・)
ブレーキパットのピストンが当たる部分に鳴き止めグリスを塗る。

塗らなくても鳴かない場合もあるし、他のグリスでも効果はある。

画像は別車種のブレーキパッド。
ブレーキパットを固定するピンは金属製で、ブレーキパッドと当たる部分が結構削れてしまうため、軸にグリスを塗る。
ブレーキパットをキャリパー内に入れ、パッドを抑える金具を入れて、ピンを入れる。

抑えの金具の上にピンが入る。
ピン自体は六角レンチで固定。

ピストンはなるべく押し込んでおき、パッドは開いておいた方が、取り付けしやすくなる。
キャリパー自体の固定を先に行ってもブレーキパッドを取り付けることが可能。
キャリパーサポートにキャリパーを固定し、ピンを入れたネジ穴にキャップを付ける。

このネジは固着する場合が多く、ネジの頭がマイナスですぐにいかれてしまう。
その為、モリブデングリスを塗り、締め付けトルクは軽くする。
最悪無くなってしまっても、固着してネジ山が行ったのを外すより全然いい。どちらにしろ買うのだから・・・。

ブレーキキャリパーのオーバーホール

ブレーキキャリパーのオーバーホールについて記述する。

画像はリード90のキャリパーで片押し1ポッド。
基本的な部分は他のキャリパーでも一緒なので参考にしてほしい。

このキャリパーはボルト止めされておらず、ブレーキローターを回避すれば手前に引っこ抜けるタイプ。
作業は、タイヤ交換・ブレーキローター交換時に行った。

ピンの上にイモネジ風のキャップのボルトがあるので外し、ピンを六角レンチで緩め、抜く。
キャップのボルトはマイナスで舐めやすいので注意。
ピンを抜くとブレーキパッドが外れる。

片側がキャリパーに引っ掛かり、もう片側がピンで固定されるタイプ。

キャリパーのブレーキパッドが入っていた部分にパッドを押す薄い鉄板が入っているので注意。(4ポッドだとピンの取り付け部に入るものと同じ役目)
これが無いとブレーキをかけて時にブレーキパッドがずれ、キーキー鳴ったり、パッドがいつもと違うところに当たって利きが悪くなったりする。
ブレーキレバーを何度か握り、ピストンを外れない程度に出す。
キャリパーの中にシールが入っているのだが、ブレーキオイルが漏ている場合は必須、古い場合はビストンを外し(あとでエア抜きが必要)シールを交換した方がよい。今回は交換せず、次回パッド交換時に実施予定。

キャリパー全体を洗剤と歯ブラシ、パーツクリーナーを使って清掃。

ピストンが錆び付いているのがわかるだろうか。

錆びた部分を耐水ペーパー(800番~1000番ぐらい)で錆びを削り落とす。

ピストンはもともとメッキされているため削るとメッキが落ち、次回からはもっと錆びやすくなるため注意。
表面しかできないため、ブレーキピストンプライヤーを使ってピストンを回転させ、全体の錆びを取る。
きれいになったピストン画像。

メッキの色が無くなっているので、シリコングリスを薄く塗り、可動性を良くし、かつ、錆び防止とする。
ピストンを戻す。

手で押し込んでももちろんOK。固かったので、今回はディスクブレーキピストンツールを使って戻した。
何度かピストンを出したり戻したりして、グリスと馴染ませると良い。
キャリパーを取り付ける。

このタイプのキャリパーはサポート(?)側にブレーキパッドを引っかけるため、ブレーキパッドの取り付けは最後。
取り付けは互い違いの2本のピンを差し込むだけだが、可動する部分であるため、グリスと塗る。

1ポッドのキャリパーは、ブレーキパッドやブレーキローターが減った場合にここがスライドすることによって、位置を調整する作りとなっている。
ブレーキパッドに鳴き止めグリスを塗る。

塗らなければならないものではないので、キーキー鳴らなければ付ける必要はないし、ほかのグリスでも効果はある。

新品のブレーキパッドを入れる場合は、パッドの角を落とすとよい。「ブレーキキャリパー取り付け(新品)」を参照。
ブレーキパッドを取り付ける。

キャリパーのブレーキパッドが入っていた部分に薄い鉄板を装着し、キャリパーサポート(?)側にブレーキパッドの片側を引っかけ、ピンを差し込み六角レンチで締め込む。
最後にピンが入った部分にキャップのボルトに固着しないようグリスを塗って入れる。
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