スカイウェイブ(CJ43A)フロントフォークオーバーホール

スカイウェイブ(CJ43A)のフロントフォークのオイルシールが痛んでいて、フォークオイルが流れ出ていた。
ブレーキローターやパッドにもオイルが回っていてまったくブレーキが利かない。
持ち主は利くって言っていたがリアブレーキでやっと止まる感じ。通常の2割程度しか利いていないのでは…。

シール交換だが必要だがフォークの取り外しが非常に面倒!
ホンダは下に抜けるので楽なんだけど、スズキとヤマハはキャップを上に外さないと抜けないし、カウルが邪魔になるので外す必要がある。

カウルを外さずにステムを抜くという方法もあるので、どちらでやるかはご自分で判断を!

部品の準備

用意するのは、
フォークのオーバーホールとしてキャップのOリング、ダストシール、オイルシール、シールワッシャー。
2本分で5000円程度。

フォークオイル#10を600ml程度(フォーク2本分)必要なので1000mlを1本。
脱脂剤(パーツクリーナー)を1本程度。

ブレーキパッドがオイルまみれなので交換。
この型(CJ43A)は2セット必要なので1セット2000円程度×2。
※内容の記載は無し。

カウルを止めているプラスチックのピンをいくつか購入しておいた方がよい。

カウルの脱着

スクーターはカウルを外すのが面倒。
サイドカウル→アッパーカウル中央部のカバー→アッパーカウル
の順に取り外す。

サイドカウルを取り外すには、まずステップのラバーやステップボードを外す。
すると、ネジとプラスチックのピンが見る。

プラスチックのピンは中央部をカッチっというまで押すと抜けるようになる。
強すぎるとピンが破損するので注意。年数が経っているとすぐ割れるので何個か買っておいた方がいい。
手で抜きにくい場合は、横からマイナストライバーを刺してテコの原理で抜く。
ピンはサイドや下部、アッパー側にもあるので全て外す。

後は爪がはまっているだけなの割らないように注意しながらサイドカウルを引き出せば抜る。
ここのネジを左右外すとフロントカウルの中央部が外れるようになる。
中央部のカバーを止めている爪は全部で3か所。

中央ライト上に丸ゴムで1個所。
引けば抜ける。
両サイドにプラスチックの爪がある。画像中央の四角い部分が爪が入る場所。
ここが外れにくくカバー側が割れやすいので、揺すりながら慎重に抜く。

この車体も片側が割れていたのでプラリペアを使って補修した。

ここで見えるネジがアッパーカウルを外す為の胆となる。
タイヤの横付近にあるネジ。

これと、上記のネジ(アッパーカウル中央のカバーが外れると見えるネジ)と、ステップの上の出っ張り部分のネジを外せばアッパーカウルが外れる。
アッパーカウルを外すと、ヘッドライトとウィンカーの配線が接続されているのが見える。

ヘッドライトの配線はライト側で抜くだけ。
ウィンカーの配線。

辿っていくと配線途中でコネクタで接続されているので、コネクターを外す。
中央部に爪があるので押しながら抜く。
これでアッパーカウルが取り外せたはず。
(画像はフェンダーも取ってある)

その他の脱着

ブレーキキャリパー、フェンダー、ホイールを取り外す。
キャリパーはボルト2本を外せば取れるので省略。

フェンダーは電子式のメーターの配線があるので注意。
メーター配線やブレーキホースに関連るボルトを外し、フェンダーを外す準備をする。

フェンダー自体を固定しているボルトは4本。
左右に内と外に1本づつのボルトを外せば取れる。
ホイールは、シャフトを固定しているボルトを緩め、シャフト自体を緩めていけば抜ける。

ホイールを外すと、前に倒れてしますので、シャフトを抜く前に腹下(アンダーカウルの前の方)をモーターサイクルジャッキなどで持ち上げておくこと。

フロントフォークの取り外し

フロントフォークは、三又のボルト2本で固定されているように見えるが、内部に出っ張りがあり、キャップは上、フォークは下にしか抜けない構造となっている。

キャップを抜くには、17mmの六角レンチで回す必要になるが、そんな大きいもの普通は無いので、今回はエキセントリック用のソケットを使用。一番細いところが17mm。
合うものが無い場合は、外径17mmの高ナットがホームセンターで40円程度で売っているので代用できる。

スペースが狭く、配線が邪魔なため固定を外してちょこっと移動させる必要がある。ここが面倒な場合やキャップを閉めるのが大変だと思う場合はステムを外す方法の方が良い。
キャップが上に取れる。
スプリングで飛び出すので注意。ワッシャーも入っているのでなくさないように。

三又のボルト2本を緩めればフォークが下に抜ける。
キャップを外した状態なのでオイルをこぼさないように。

フロントフォークの解体

フォークオイルを抜いてフォークの下部にボルトを外す。
これを抜くにはインパクトを使用。

インパクトが無い場合、手回しだと供回りしてしまうため、スプリングを入れた状態でキャップを閉め、テンションをかけた状態でバイスに固定して緩める。

ボルトを外した後、逆さにするとシリンダー(?)が出てくる。
底にあるプラ部品が噛み込むことがあるのでインナーチューブを底付きさせないように。
ダストシールをマイナスドライバー等でこじって外し、オイルシールを固定しているリングを外す。
このリングが腐っている場合は交換が必要。作業前に可能であれば見ておきたい。

オイルシールはインナーチューブを何度か勢いを付けて引っ張れば抜け、インナーチューブごと抜ける。
解体完了!

入っている部品の順序を覚えておこう。
脱脂剤(パーツクリーナー)できれいに清掃。

画像は入っている部品の順。

フロントフォークの組み付け

オイルシールが入る部分。
アルミが腐食してざらざらになっていたため、耐水ペーパーの#1000で軽く削ってやる。

ざらざらの場合、オイルシールが打ち込み辛い。
フォーク内にプラ部品とインナーチューブを入れたらフロントフォークオイルシールプッシャーを使用してオイルシールを打ち込む。
プラ部品をシールに当て、金属部品(内側にプラのガイドが付いていてフォークを傷めない)をハンマーとして打ち込む。

塩ビパイプで代用している人が多いようだ。

オイルシールをリングで固定。その後ダストシールを装着。

画像省略。
シリンダー(?)をインナーチューブに入れ、下部のボルトを締める。
シールワッシャーは必ず新品を使用すること。再使用すると必ずといっていいほど漏れるらしい。

閉めるときはインパクトだとトルクがわからないので、スプリングを入れてキャップを閉め、手回しで行った。
この状態ではフォークオイルを入れていないので、キャップを取り外し、スプリングを抜く。

装着の準備完了!

フロントフォークの装着

スプリングを入れていない状態でフォークオイル#10を284ml入れる。
大きめのメスシリンダーと小さいメスシリンダーを使用して量を微調整。

フォークをシャコシャコ動かし、空気を抜きしばらく放置後、インナーチューブから油面の距離をノギスで測定。
底付き状態で96㎜となっていればOK。
オーバーホールなのでずれることは無いはず。

オイル交換のみの場合、中に残っている場合があるので、だいたいの量を入れたらフロントフォークオイルレベルゲージを使用して油面で合わせる。
スプリングをフォークに入れ、フォークを三又に入れる。
三又の2本のボルトを締めてフォークを固定。

ワッシャーとキャップを一緒に持ってスプリングを押し込みながら締めるのだがこれが大変!
このスペースでは上から体重をかけられないため、握力のみで抑えながらネジがきちんと噛むように回さないといけない。

かなり握力が必要なので自身の無い方はステムごと外す方法をとった方が良いだろう。

ネジが噛んだらエキセントリック用のソケットで締め付けて完成!
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