バイクのタイヤ交換について
個人でタイヤ交換する方に参考になるよう、ちょっとしたコツを記載します。
当然ですが、タイヤ交換はタイヤのゴムが柔らかい方が簡単。
暖かい時期に柔らかいハイグリップタイヤならサクサクっと交換できるが、寒い時期に古いタイヤなんて硬くて全然外れない。
個人で行うならちょっと考慮した方が良いかも。
タイヤの選択については、別途記載予定。
必要なもの
基本的に使用するものは以下の通り。
品名 | 必須 | 推奨 | 備考 | |
1 | バルブ回し | ○ | 外す際にエアーを完全に抜く必要がある | |
2 | タイヤレバー | 2本 | 3本 | スクーターのタイヤなら2本で十分。 大型のタイヤは外したところ戻ってしまうため、3本あると楽に作業ができる |
3 | エアーコンプレッサー | ○ | 空気入れではビードが上がらない | |
4 | エアーチャックガン | ○ | 空気を入れるために必要。先端はクリップ式(デュアルヘッドの場合、ムシが無い状態で入れられない)。 | |
5 | ビード落とし | ○ | タイヤレバーでタイヤを外すことも可能であるが、ホイールが傷ついてしまう | |
6 | リムプロテクター | 3個 | ホイールを傷つけないため | |
7 | ビードクリーム | ○ | 取り付け時にビードを滑らせるために使用。洗剤で代用可能 | |
8 | 洗剤 | ○ | タイヤを外す際に使用 | |
9 | スポンジ | ○ | なんでも可。上記洗剤を使うときに使用 | |
10 | 大きめのハンマーなど | ○ | ビードを中央部に寄せるために使用 | |
11 | 敷くもの | ○ | ホイールやディスクローターを傷つけないため |
タイヤ交換におけるホイールの構造
ホイールの中央部は窪んでいる。
ホイールの外径に対してタイヤの内径は小さいが、この窪を使うことで、タイヤの脱着が出来る。
これを考慮し、交換の際はタイヤのビードが常にこの窪みに入っているようにする。
ホイールのリムの方にビードがいっている場合、どんなに頑張ってもタイヤは外れず、力任せにタイヤレバーをタイヤを引っ張るとホイールが歪んでしまうので注意。
タイヤの取り外し(大型ホイール:表)
大型のホイールを外す作業について、半面づつ記述する。
参考画像のホイールは19インチのフロントホイール。
ダンロップのK300GPというタイヤでハイグリップであるため、購入当初は柔らかかったのだが、購入から10年ぐらい経過しているので硬化し、取り外しは大変だった。
FX-Ⅲのビックローター化のためのホイールに付けて寝かしていたもので、走行してたわけではない。
→タイヤ内の空気が完全に抜る。
何ヵ所か行い、全体が落ちたらホイールをひっくり返し、裏側もビードを落とす。
(両方ついている場合、両方ない場合は、はどちらでも可)
ビードとホイールの内側に水で泡立てた洗剤(食器を洗う時の濃さ)をスポンジなどで塗り込む。
これをちゃんとしないと、いくらレバーでこじっても硬くてタイヤが抜けない。
また、外している時に内側のバルブの厚みがビードと干渉しないように、最初にレバーを入れる位置は、バルブの位置の近くが良い。ポイント③
レバーは押さえておかないと戻ってしまうので、ブレーキローターに引っ掛ける。ポイント①の効果
画像なし。(小型を参照)
タイヤの取り外し(大型ホイール;裏)
タイヤの片方のビードは外れている状態で、もう片方を引き抜くのたが、タイヤレバーは入れ辛いし、レバー2本である程度端のビードを出した後、手で引っ張って外れそうで外れないってことが多いのではないだろうか。
そこでレバーは3本使用すると簡単に取外れる。
厚みのあるハンマーなどをタイヤの下側に入れ、ビードがホイール中央に来るようにする。ポイント④
間隔は広過ぎるレバーが上がらなく、狭過ぎるとタイヤが外れないので適度な幅に。ダメそうなら無理せずに一旦戻し幅を調整。
適度な幅(全体の2/5ぐらい)のビードが外れていれば、あとは手でタイヤを剥がせる。
レバー2本より確実に楽なはず。ポイント⑤の効果
エアーバルブの交換
エアーバルブのゴム部分は劣化するため、タイヤ交換2~3回に1回程度エアーバルブを交換したほうが良い。
バルブはゴムのバルブと金属のバルブがある。
大型車には金属、スクーターなどはゴムのバルブが使われていることが多い。
ナットを外すとバルブが内側に簡単に外れる。
ゴムのパッキンが入っている。
この新しいバルブは上側にもパッキンが入っており、ナットはシングル。
あまり強く締め付けると外側のパッキンが潰れてしまうため、弱めで良い。
先が真っ直ぐのもの、長いもの、L字のものがあり、ホイールの形状により使い分けている。
スクーターの小型のホイールにはL字のものが使われることが多い。
このとき、メンテルブなどを表面に塗り、ドライバー等を中心の金属部分に押し当てて押し込むと取り付けしやすい。
タイヤの取り付け(大型ホイール)
タイヤの取り付けは、外すのに比べれば簡単に行える。
参考画像は19インチのフロントホイール。
タイヤは、ブリジストンのBT-39SS for アメリカン。ハイグリップタイヤで非常に柔らかい。付け替えで取り外しも行ったが、非常に簡単に外すことが出来た。
タイヤのバランスが、この位置が一番軽いという意味で、ホイールで一番重くなるバルブ取り付け位置に合わせる。
レサーなどは意図的に逆に付ける人もいるので、逆が全くダメなわけではないが・・・。
タイヤが入れやすく、空気を入れた時にビードが上がりやすくなる。
成分は、時間とともに無くなるので、走行中にタイヤが滑ったり外れたりすることはない。
作業中の画像なのでわかりにくいが、最初に下側を引っ掛けるようにして入れ、なるべくリム中央にビードが来るようにしながら、サイドをぐりぐり押していくと柔らかいタイヤならレバー無しで入る。
入らない場合は、最後のみレバーを使って入れる。
最初に下側を引っ掛けるようにして入れ、両方のタイヤのビードがリム中央に来るようにしながら、サイドをぐりぐり押していくと残り少しのところまではレバー無しで入る。
柔らかい小さなタイヤであれば、全部入ることもある。
残りのホイール部分にリムプロテクターを付け、レバーを挿し入れてタイヤを上に引き延ばす感じで入れる。
一気に入らない場合は、下側のタイヤがリム中央に来ているか再度確認。数回に分けて入れていく。
数回に分ける場合、レバーを外すとタイヤが戻ってしまうので、左手で入れた部分を押さえながら右手でレバーを使って入れる。
タイヤのビード全体がリムに密着していないと空気漏れを起こす。漏れている場合は、タイヤをバウンドさせてみたり、タイヤの一方のみ膨らんでいれば窄めてなるべく一定になるようしたり、調整しながら入れる。
空気圧は3k~4kぐらいまで一気に入れる。
すると、ビードが上がり「プンッ・・・プンッ」と2回音がする。ビードクリームを使っていない場合は、「パン!・・・パン!」と大きな音が2回なる。
画像は空気が入った時のホイールのリムの付近のタイヤに円がある。一定間隔になっているが、この状態を覚えておく。
先ほど確認したリム付近の円が空気が抜けた後どうなったか確認する。ポイント⑥
画像では、右側に対して左側が内側に入っているのがわかるだろう。
その場合、ホイールに対するタイヤの位置が良くない。
空気漏れや走行時のブレの原因となるので、一旦タイヤを潰す感じでリムからビードを剥がし、タイヤ全体のビードがリム中央に来るようにして、タイヤ位置を調整する。
この内側に入った部分が内側に入りすぎなので、この部分にタイヤを寄せるイメージ。
ポイント⑥の効果
スクーター(ミニ、ビック共に)で同様の状態で乗っていたときは、数週間単位で空気が自然と抜けてしまった。
パンク、空気漏れを探ったが異常はなく、ダメもとで上記を意識してタイヤを組みなおすと治ったことがある。
今のところ大型車では空気漏れは起きていないが、考慮しておいた方がよいだろう。
空気圧は3k程度、1週間ぐらいしたら規定値に戻す。
最近のバイクの規定値は異常で、3kが規定になっていたりするが、エンジン始動直後に高速を全開で走った場合に走れる空気圧であって、普通に乗るには異常な高さ。
走るとタイヤ内の温度が上がり空気圧も上がるので、平常時の大型バイクでフロント2K前後、リア2.2K前後が良い。(ラジアルとバイアスで異なるが・・・)
タイヤの取り外し(小型ホイール)
ミニスクーターのホイールのタイヤの取り外しを記載。
参考画像は10インチのフロントホイール。
タイヤはブリジストンのHOOP B01。使用2年程度のため、非常に柔らかく、取り外しが簡単だった。
裏側も行う。
太さに対して径が小さいので、大型のホイールより扱いが簡単。
ここで泡立てた洗剤を塗ると外しやすくなる。
小型の場合は洗剤なしてもさほど苦労しない。
レバーはブレーキローターに引っかける。
半分までビードが外に出ると、タイヤの表面は外れる。
レバーはブレーキローターに引っかけておく。
小型タイヤは簡単に外れる。
タイヤの取り付け(小型ホイール)
ミニスクーターのホイールにタイヤの取り付けを行う。
参考画像は10インチのフロントホイール。
タイヤはDURO(ダンロップと技術提携) HF-263A。固いタイヤで、取り付けがちょこっと面倒。
画像はブレーキローターが上にあるが、下にしておいた方がレバーを使うとき干渉しなくてよい。
問題なければバルブを入れて空気を入れれば完了。
問題があればタイヤ位置を調整。(詳細は大型に記述)