横型エンジンのヘッド・シリンダー・ピストンの取り付け

CD50(ベンリー)のエンジンにデイトナのハイパーヘッドビッグボアキット88ccを取り付ける。

作業順序は、ピストンの取り付け→(スタットボルト取り付け→)シリンダーの取り付け→ヘッドの取り付け。

横型エンジンのピストンの取り付け

左がノーマル50ccのピストン、右がデイトナ88ccのピストン。

思ったよりサイズが大きい。
ピストンにピストンリングを装着。

リングには、入れる順番(銀→黒→オイルリング(リング→波状→リング))、裏表(Tの刻印がある方が上向き)があるので注意。

なお、オイルリングは波状のリングの奥側が太くなっているため、一番最初に入れないと上下のリングが入らない。

リングの切欠き位置は、圧縮が逃げないように120°ずらすようにする。詳細は説明書とか見てね。

また、片方にサークリップを入れておく。
ピストンを上がら見ると削り後が目立つ。あまり良い加工はされていないようだ。
ピストンをコンロッドに取り付ける。
ピストンの向きが決まっており、EXと刻印されている方が下となる。

取り付け方法は、ピストンの中央の穴とコンロッドの穴を合わせてピストンピンを入れ、サークリップでピストンピンを抜けないようにする。

取り付け後、ピストン全体(特にピストンリング)にエンジンオイルを塗っておく。

横型エンジンのシリンダーの取り付け

スタッドボルトにダブルナットを施し、クランクにスタッドボルトを締め込む。

外す際にトルクがほとんどかかっていなかったのでトルクは弱めに。
左がノーマル50ccシリンダー、右がデイトナ88ccシリンダーのクランクケース側。

最近はアルミのスリーブが多いが、デイトナは鉄のスリーブのようだ。
左がノーマル50ccシリンダー、右がデイトナ88ccシリンダーのヘッド側。

ノーマルシリンダーで使用していたチェーンガイドとボルトは再利用となる。
事前にシリンダー内にエンジンオイルを塗っておく。
ガスケット(紙)とオイルラインのOリング(グリスを塗布)を入れ、ピストンリングを1本づつ抑えながらシリンダーを入れていく。
カムチェーンをシリンダー上部から出すようにする。
最後までシリンダーが入ったらサイドボルトで固定。
純正のチェーンガイドを取り付ける。

※チェーンガイドのサイドには、オイルを汲み取る薄い突起がある。反時計回りなので下右が細く、下左が太くなる方向。

横型エンジンのシリンダーヘッドの取り付け

右がノーマル50cc、左がデイトナ88ccのヘッドとカムとカムスプロケット、ロッカーアーム。

ロッカーアームを固定するピンは再利用。
右がノーマル50cc、左がデイトナ88ccのヘッドのシリンダー側。

ヘッドの外側のサイズはほとんど変わらないが、バルブのサイズが全然違う。1.5倍ぐらいあるかな。
この画像では分かり辛いが、窪んだ円のサイズがネジ穴の位置からわかるだろう。
左がノーマル50cc、左がデイトナ88ccのカム。

リフト量の違いが判るだろう。
事前に各パーツとヘッド内にエンジンオイルを塗っておく。
ヘッドにカムを入れ、ロッカーアームをピン(再利用)で固定。

ヘッドを取り付けた際、スタッドボルトでこのピンが抜けなくなる仕組み。
なので、一番奥まで確実に押し込んでおく。
ヘッドをエンジンに乗せてしまうと下側のタペット調整が面倒になるので、この時に調整を実施。

シックネスゲージ(0.05)で間隔を確認して固定。
ガスケット(鉄)とオイルラインのOリング(グリスを塗布)を入れ、シリンダーヘッドを取り付ける。

コンロッドのピンが奥に入っていないとスタッドボルトが当たってしまうので注意。
また、カムチェーンが中に入らないように注意。
シリンダーヘッドを取り付け。

純正のヘッドカバーを付け、カムスプロケットを付ける。

カムスプロケットの取り付け際、位置がずれると点火タイミングが合わなくなるので注意。
フライホイールのTマークがクランクケースの切り欠き(印が上になる)の時に、カムスプロケットの○マークがヘッドの切り欠き(印が左になる)に来るようにする。
純正のタペットキャップを取り付け。

Oリングは新しいものが付属しているため、交換する。
尖ったもので古いOリングが掻き出すのだが、固着していてなかなか取れず、指に刺して流血しないように注意。
痛かった!
マフラー固定用のスタッドボルトを取り付け。

六角レンチが使用できるようになっているので取り付け簡単。
ヘッドにLサイドカバー(再利用)とRサイドカバー(オイルクーラー取り出し)を取り付けてボアアップ完了!
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