Z750FX-Ⅲのローター変更計画 概要

Z750FX-Ⅲのノーマルのディスクローターは260Φでキャリパーは片押し1ポット。

片押し1ポットの最初に利かない感じも嫌いだし、エンジンをカスタム(ステージ1、810cc、ポート加工)したのに止まれないのでは困る。

変更したいところだが、Z系と違ってカスタムパーツが出ていないため、何とかならないかなぁといろいろ考えた。

考えた結果、Z系(特にZ1000mk2)のホイールであればビックローターが出ているので、それを付けることに・・・。

Z750FX-ⅢとZ750FX(Z1000mk2)のホイール

Z1000mk2とFX-Ⅲのホイールの違いは、ブレーキローターの取り付けのネジ数/位置、アクスルシャフトの太さ、クランプナット(アクスルシャフト左右のナット)の太さ、若干の見た目が異なる。

幸い、幅は一緒のようなので、アクスルシャフト回りをどうにかすればよさそうだ。
どうやら年代的にZ750FX、Z1000mk2までが太いアクスルシャフトで、その後のZ1000JやZ1000R、GPzなどは細いアクスルシャフトを使用しているようだ。

Z750FX(Z1000mk2)のホイールをヤフオクで落札。
Z750FXはZ1000mk2の750cc版。

当初は何もついていなかったので、キャリパーを固定するボルト(ステン)、そのボルトの下に入る金属のカバー、メーターギア、メーターギアの反対側のカラー、サンスターの320Φのディスクローターを購入して付けた。

(画像はシャフト対応済み)

アクスルシャフト回りの対応

アクスルシャフトの太さとクランプナットの太さが異なる。
Z750FX(Z1000mk2)のクランプナットの方が太く、FX-Ⅲのフロントフォークには固定出来ない状態だ。

フロントフォークのインナーチューブの径と取り付け幅(三又流用可能)は同じであるため、フォーク自体をZ750FX(Z1000mk2)に変更すれば取り付け可能であるが、費用がかかるため、FX-Ⅲのアクスルシャフトをベースにカラーを作って太さを対応させようと考えた。

加工屋に頼みに行ったところ、カラーを作るよりアクスルシャフト自体を作った方が良いという話となったため、アクスルシャフトを作ることに。

これが作成したアクスルシャフト、中央部の太さがZ750FX(Z1000mk2)で、FX-Ⅲのクランプナットを取り付けられるように段差がある。

一から作ってもらったのだが、Z750FX(Z1000mk2)のアクスルシャフトのサイドを削ってネジを切ればいけるかも・・・
段差部分のアップ画像。

これだけ差がある。
上:作成したアクスルシャフト、下:FX-Ⅲのアクスルシャフトの比較画像。

カラーの形もずいぶん異なる。
クランプナットはせっかくなので新品を購入。

キャリパー・キャリパーサポート

カスタムと言えばbrembo(ブレンボ)って感じだが、ヤフオク見てたらNISSINのキャリパーが新品で左右で1万しなかったので即買い。

NISSINの利点はブレーキパットの種類が豊富なこと。
効きを重視して、デイトナのゴールデンパットを装着。
左:ノーマルのキャリパー(片押し1ポット)と右:NISSINのキャリパー(4ポット)。

キャリパーのホイール側の厚みが全く違う。その為・・・
サンスターのディスクローターは、ボルトを止めるところに3mm程度のカラーが入り、メータ―のホイール側の金具を押さえるために高さを調整している。
通常は外側に入れるが、その状態ではNISSINキャリパーの裏側にスポークが当たってしまった。

その為、カラーは内側(ホイールとローターの間)に入れ、ローターを外側にオフセットさせることに。
若干カラーの内径が細く入らなかったので、ヤスリで穴を拡張して入れた。

実物が無いのでわからないが、多分ノーマルのインナーはサンスターのインナーより厚いのだろう。このカラーがあって良かった。
キャリパーサポートは製品としてどこも出していないため、製作を依頼していたのだが、なかなか作ってくれない(型がどっかいったとか)ため自作。

詳細は「キャリパーサポート作成」を参照。

メタ―ギアの差分対応

左:Z750FX(Z1000mk2)と右:FX-Ⅲのメーターギア。

フロントフォークに突起があり、メーターギアが回らないようにギア側にも突起があるのだが、突起の位置が異なるようで、Z750FX(Z1000mk2)は上側に突起が無い。
FX-Ⅲは上側の突起を使用するため、加工することに。

なお、ケーブルを止めるネジの径が同じため、メーターケーブルはそのまま使用できる。
メーターギアの上側に溶接で肉盛り。

現状、溶接機が無いため、行きつけのバイク屋さんに依頼。
肉盛り部分をリューターで削り形を整える。

当初の予定では、GPz750(フロント18インチ)のメーターギアを使用しようと穴のサイズを加工していただが、旧友人がmk2(フロント18インチ化)に付けてみたいということで貸したのだが無くされてしまった。
メーターケーブルの取り付け部の径が異なるが、メーターケーブルは用意してあったので、そのメーターギアがあれば突起の加工は必要なかったのだが・・・(怒!)

320Φディスクローター装着ホイールの取り付け

Z750FX(Z1000mk2)のホイールには古いタイヤ(10年以上前のK300GP)が付いて、FX-Ⅲのホイールには新しいタイヤ(去年変えてほとんど走っていないBT-39forアメリカン)が付いているため、タイヤを交換。

そのホイール、キャリパーサポート、キャリパーの順に取り付けを行った。
(キャリバーを最後にしないとホイールが入らない)

タイヤ交換キャリパーの取り付けについては別途記載予定。
画像は右側。

走行して・・・

ローターとフォーク/キャリパーサポート間、キャリパーとホイールのスポーク間のクリアランスが少ないため、どこか干渉するのではないかと心配していた。
装着して40km程度その辺を走った後、装着から3日後におっかなびっくりツーリングに行ってきた。
横浜から西伊豆に出て東伊豆を回って無事約300kmを完走。クリアランスは少ないがどこにも擦っていないようだ。

なお、今までのFX-Ⅲのノーマルホイールでは高速時にうねる感じがあるのだが、こっちのホイールの方が若干うねりが少ないように思える。歪んでたのかなぁ・・・

ちなみに構想から10年。
 10年前:エンジンをカスタムに出して、ホイールをローター、キャリパーを購入
 9年前:アクスルシャフト製作・完成、キャリパーサポート製作依頼→なかなか作ってくれない
 5年前:エンジンカスタム完成
 4年前:フライス盤を購入、キャリパーサポートの製作依頼を破棄
 3年前:エンジンカスタム代金支払い
 2年前:作業場を構築、フライス盤を自宅から作業場に移動
 昨年10月頃:キャリパーサポート製作開始、フライス盤のギア破損などトラブル続出
 今年3月:キャリパーサポート(自作)の完成、メッキ加工依頼
 今年4月:メッキ加工完了、全ての装着完了

永かった!

今回はZ750FX-Ⅲを改造しましたが、Z750FX-Ⅱ、Z750GP、GPz750、Z1000Jやその他Z系でもクランプナットを使用していれば、同じ対応ができると思います。
もっといい方法があるかもしれませんが、改造の参考になれば幸いです。

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